2007年11月26日月曜日

自主シンポジウム

 11月24日に横浜で開催された日本LD学会第16回大会にて、自主シンポジウム「通常学級での授業・学級づくりー発達障害児のやる気と自信に着目してー」を企画しました。おかげさまで定員110名の会場に全然入りきらないほどの参加者がありました。このシンポジウムでは野田市教育委員会の松浦正典氏にも話題提供者としてご参加いただき、絶妙なトークで行動上の課題解決における配慮、とくに自尊感情を高めていく褒め方の大切さについてお話しいただきました。来年も、プロジェクトMでシンポジウムの企画をしていきたいと思います。
 会場の横浜市開港記念会館です。

 会場の入り口前です。こんなにたくさんの参加者があったんですよ。

 夜の元町です。

2007年9月5日水曜日

ジョイントセミナー

 チーム兵庫とチーム長崎合同でセミナーをおこないました。話題提供として、兵庫からは授業・学級つくりの実践研究、長崎からは学校全体でのユニバーサルデザインについての発表がありました。

2007年7月15日日曜日

小島先生来る!(第7回)

 台風のなか実施が懸念されていましたが、第7回勉強会が開催されました。今回は、チーム長崎の元締めの小島先生がはるばるやって来られました。せっかくでしたので、発達障害児に関する自己肯定感をめぐる研究の話題についてレクチャーを頂きました。ひとつは、どのように自己肯定感などをアセスメントしていくか、という課題があります。このあたりにも積極的に取り組み始めているというお話を伺いました。
 今回は、勉強会の様子を初公開です。



 後半はメンバーから、発達障害時が在籍する通常クラスについて、学級経営という視点での配慮・対応について話題提供をしてもらいました。認知特性をふまえた授業作りをおこなっていくことによって、それまでは席を離れて寝転んでしまっていた対象児が一斉授業に参加できるようになっていました。離席すること自体が問題視されがちですが、このような行動が実は、一斉授業の内容や教授方法が対象児のニーズに合っていないサインと捉えるべきことを示しています。やはり対象児にあわせた課題設定が重要ですね。これによって、達成感も得られやすくなり、自信とやる気へつながります。ここで調整しなければならないのが、クラスの標準的なニーズと発達障害児がもっている個別のニーズとの関係です。

 学級経営という視点では、古典的ですが三隅のPM理論はとても大切です。この理論はもともとは会社などの組織でのリーダーシップ理論なのですが、教師を学級のリーダーと捉えることで通常学級のダイナミックスを考察することができます。Pはまさに組織を引っ張っていくリーダーシップの力を表現しています。つまり、その組織が目指すべき方向を規定して、それを明確に構成員へ提示することの大切さ、の側面です。このPだけでは実は組織はベストの状態にはなり得ません。これだけが強すぎると、構成員の意向がその組織に反映されず、不満がたまりがちになるのです。ここで、もう一つの側面M(maintenance)の大切さが浮かび上がります。Mは構成員へ受容的な態度で対応することで、リーダーと構成員の信頼関係を築く側面です。リダーがこれらPとMの両方を合わせもつことで、組織の力が最大限に発揮されるという理論です。

 担任の先生へ学級経営についてコンサルテーションする時、PとMの両方からおこなっていくことが大切ですね。

2007年7月4日水曜日

清和台小学校

 今日も学校訪問をしてきました。たぬきねこが担当するコースは、川西市と特別支援教育の推進に関する連携協約を結んでいます。このなかで現職教員の大学院生が協力校で実地修練をおこなうと同時に校内支援体制の構築を支援しています。実習と支援は表裏一体です。今回訪問した清和台小学校は、たぬきねこ研究室の院生がお世話になっています。その院生と担任先生二人ともプロジェクトMメンバーで、協力して授業作りの実践研究をおこなっています。

 今回の授業は3年生国語の「三年峠」でした。三年峠は、発達障害が専門のたぬきねこから見て、大変興味深い題材です。おじいさんが三年峠に差し掛かるのですが、この峠で転んでしまうと「三年きりしか生きられぬ」という言い伝えがあるのです。この表現もちょっと難しくて、限定と否定が込められていますね。そして、これはおじいさんの心のなかの信念になっているのです。そう、自閉症スペクトラムの子どもはこのような他者の信念を理解することが難しいのです。結局、おじいさんは三年峠で転んでしまい動転してしまいます。実は、この時のおじいさんの気持ちは非明示的で、「どうしよう、どうしよう」など行動については描かれていますが、不安だったという感情は記述されていないのですね。このように感情が非明示な文章の読み取りは、とりわけ自閉症スペクトラムの子どもが苦手とするところです。言い換えると、三年峠はおじいさんの気持ちの変化を読み取ることをとおして、他者の心を読み解っていく格好の題材でもあるのです。

 しかし、先生におうかがいすると、「三年峠」ではリズム感を大切にさらっとやるそうです。子どもの教科書にも、そのようなねらいが書いてあって、おじいさんの気持ちを理解することは入っていませんでした。他にやるべき単元が数多くあること、憶えなければならない漢字もたくさんあるので、とのことでした。これは、実にもったいないことです。3年生で難しいのであれば高学年にもっていってもいいと思います。またまた、たぬきねこは小学校で教えるべき大切なことをもっと考え直していかなければ、という思いを強く感じました。

 本題の授業見学ですが、先生はお子さんの特性を考えて教科書の挿絵を拡大して黒板に貼って、子どもたちにストーリーの順番に並び替えさせていました。このお子さんは、視覚的に文脈を理解するのは得意なので、このような提示の仕方はとてもいいですね。授業に興味を持てない時は、床に寝そべってしまう時もあるそうですが、この時間はしっかり机に向かっていました。板書も、色分けして工夫されています。授業のねらいが黒板に書かれているのもいいですね。

 それから、先生は対象のお子さんの行動にもダイナミックに対応して、本人のやる気をうまく他の子どもに受け入れさせていたと思います。例えば、次々に子どもたちが読んでいった時、対象のお子さんが読み始めるとそれに合わせてうまくリズムをつけてあげてました。ちょっと突然であっても、自発的に授業に取り組んだ姿勢を受け入れていくことが大切でしょう。

 プロジェクトM的には、今日の授業でのねらいの一つが「(文章の)すきなところ」だったので、どういう観点で「好き」と思ったのか尋ねていくと、子ども間の捉え方の違いも明確になって、さらに深まっていくように感じました、です。ここでは、やはりどんな文章を好き・面白いと思うのか仮説を立てておくことが大切ですね。
 

こんな本を書きました

「ちゃんと人とつきあいたい−発達障害や人間関係に悩む人のためのソーシャルスキル・トレーニング−(山海堂)」という本を書きました。この本では,ソーシャルスキル・トレーニングについての解説の後,5つの年齢段階(ライフステージ),「幼児期」「小学校低学年」「小学校高学年」「中学校期」「高校・青年・成人期」ごとのソーシャルスキルの特徴と課題について記してあります。次に,その5つの年齢段階(ライフステージ)毎に,実際の指導例を合計50ケース載せています。この部分のボリュームが多く,参考になるケースがあるかな,と思っています。ちなみに,お値段は1,600円となっています。

2007年6月24日日曜日

英語学習とごほうび

 小学校で英語の学習が取り入れられつつあります。これまでの英語教育は、しゃべれる力を養っていない、とも言われます。小学校でどのように英語の授業を作っていくのか、これからの課題ですね。
 幼児期に、子どもは言葉を獲得していきます。言葉を憶えていくっていうことは、親にとってとても嬉しいことです。不完全な発音でも、「うーん、よくしゃべったねえ。そうだねえ。」なんて、子どもに向かって話しかけていると思います。決して、それは正しい発音じゃないわね、なんては言わなないでしょう。このように、子どもが発語を学習している時には、ごほうびが周囲から与えられているのです。これは、社会的な強化と言えます。つまり、子どもは絶えず発語の学習を楽しんでしているということですね。
 今回のわくわく授業「看護学校の英語」でも、生徒たちはとても楽しみながら学んでいました。先生は、自分たちでロールプレイのシナリオを作って発表するよう機会を作っていました。シナリオを考えることに楽しさを感じるでしょうし、みんなの前でうまく発表できれば達成感もありますよね。これらは、内的なごほうびにつながっています。

2007年6月18日月曜日

小野小学校

 本日は、県の委嘱事業で兵庫県の小野市立小野小学校を訪問して、授業を見学しました。小野市は、そろばんの生産地として有名で、教育にも熱心に取り組んでいる地域です。小野小学校は城跡に立っていて、校舎も瓦屋根になってる凝りようです。すでに20年が経つそうですが、年月を感じさせない立派な建物です。

 これは、ハバタン。懐かしいですねえ。

 さて、授業は3年生の国語と社会を見学しました。子どもたちを授業へ魅きつけて、注意を集中してもらうことが学力をつける基本だと感じているのですが、これが難しくなってるんですね。これは、訪問したほとんどすべての学校に共通しています。国語では、まず漢字の書き取りをそれぞれの子どもが取り組んでいました。こういった作業でも、ごほうびはやっぱり効果的です。先日、テレビで任天堂DSで漢字の練習をさせたら、成績がのびたという報道をしてました。もうすでに、IT機器は文字入力の認識はお手の物です。この学習効果は、おそらく正解したときのオーディオビジュアルな即時的フィードバックが、子どもにとって楽しいからだろうと思います。自分でドリルに書き入れてもフィードバックがないのですよね。あと10年くらいで、読み書きの練習はコンピュータにとって代わられてしまうかもしれません。
 社会では、やはり授業の構成が大切だと思いました。どういう作業をするのか(すべきか)、その手順をわかりやすく視覚的に示すことはとても重要です。授業にメリハリをつけるためには、作業時間がどれくらいあるのか予告して、終了も音などで知らせるとよいでしょう。作業のあとに、それを発表させると何らかのフィードバックを子どもたちに返せますね。先生も、実物投影機を使ってモニターに映し出して、他の子どもに見せてました。でも、ちょっとモニターが小さかったでしょうか。大きく前面に映し出すと迫力があっていいかなと思いました。家庭のテレビよりずっと大きい画面で、ぜひ。



 

2007年6月15日金曜日

コーディネート課題実習

 今日は、ゼミの院生(現職教員)がコーディネート課題実習でお世話になっている小学校6年のクラスを見学しました。コーディネート課題実習は、特別支援教育コーディネーターコースの2年次前期に実施される学校現場実習で、この期間はほぼこの実習に専念することになります。
 広汎性発達障害のお子さんが在籍するクラスの国語の授業でした。ゼミ生は、個別の指導としてソーシャルスキルトレーニング(SST)を実施する予定にしています。発達検査のほか、行動アセスメントをおこなっています。これをふまえて、実際の行動上の課題に近い状況設定で個別のSSTをおこないます。この際、通常学級との連携が大切になってきますので、担任の先生へコンサルテーションもしてゆきます。このなかで、クラスにおけるSSTや対象児への即時的な強化を図っていく予定です。このような試みは、おそらく今後の通級指導教室のあり方に対する一つのモデルとなっていくことでしょう。
 今回の授業見学だけでなく、多くの小学校を訪問して感じていることがあります。授業中に、廊下からの子どもの声が結構聞こえるのです。ADHDやPDDの子どもは、注意をコントロールするのがとくに苦手です。ほかの子どもにとっても、授業に集中できない要因になります。これが不思議なのです。私の専門から考えると、注意の転導性を高めてしまう不必要な刺激は極力除くべきです。また、静かな環境ほど先生の話への注意は高まるはずです。まず、子どもが授業に集中できる環境を作っているか、考えてみてはいかがでしょう。

2007年6月10日日曜日

第5回勉強会

 今回は、メンバーの研究授業を紹介していただきました。小学校1年の生活科で、あさがおの苗を観察してどんなことを感じたのか言葉で言って、さらに身体でも表現してみよう、というものです。ご本人は、うまくいかなかったとおっしゃていましたが、プロジェクトM的に色々と気づくこともあって参考になりました。他のメンバーがビデオを撮影してくれていたのも助かりました。学校の授業作りを考える時、ここが一番難しいんですね。授業についての何らかのデータがないと、やっぱりコメントも何もできません。できるだけ、観察した先生の解釈が入っていない一次資料が欲しいのです。何度かそのビデオを見ましたが、3回目くらいで気づくこともありました。
 一般的に学習案を作成する時は、授業のねらい、構成、教材の工夫などが中心となると思うのですが、意外とその授業で子どもがどんな反応を見せるのか、それはどんな行動で現れるのか(言動、表情など)についてはあまり考慮されないのではないでしょうか。しかし、ここが大切です。あるねらいで授業を進めたとき、まずはそれへ子どもがどんな反応を示すかを予想することが必要ではないでしょうか。それによって、子どもが先生の意図や授業内容を理解しているのか、興味を持っているのかリアルタイムで確かめていくことが大事です。
 

2007年6月6日水曜日

学校生活と自信

学校生活で示す子どもの姿。その背景に、自分自身に対する自信が行動に影響していると、感じる人は多いであろう。たとえば、いままで積極性に乏しかった子どもが、何かの達成経験をしたことで、大きく変化をすることもあろう。自信に溢れた姿を見せて何事にも積極的に取り組む子ども。もちろん、過度な自信はあまり望まれるものではなく、成長とともに、自分を客観視できる力も、備わってくることが期待される。ただ、「自分を信じてがんばりました!」といえる、姿を見たときに、周囲の人はどんな働きかけを行ったのか。そこに支援のヒントがあるように思う。そして、「できるはず!」と自分を信じることができる力って素敵だ。と思う。
 子どもだち、みんなが適度な自信をもつこと。って大切だけど、じゃあどういう取り組みがあるのか?自分の力を信じてがんばろう!仲間を信じてがんばろう!と、自分を信じ、希望を抱けること。そんな子どもたちに多く出会いたい。そして、子どもたちが過ごす学校教育現場には、子どもたちの自信の支援に関する、多くのヒントがあるはずであろう。

2007年6月1日金曜日

粟賀小学校

 今日は、ゼミの院生(現職教員)の現任校・粟賀小学校を訪問して授業を見学しました。粟賀小学校は、兵庫県のちょうど中央部にあります。山間部でもありませんが、どちらかというと牧歌的な風景に囲まれた町の小学校です。院生の方は、M2前期の「コーディネート課題実習」という授業の一環として週に1日、現任校で特別支援教育コーディネーター業務についての実地修練をおこなっています。
 見学させていただいたのは、4年生の国語の授業でした。現在の先生が担当されてから、対象のお子さんの様子はだいぶ落ち着いたとのことです。また、肢体不自由担当の先生が交流でクラスに来ていて、対象のお子さんへTT的な支援も担当されていました。担任の先生からの指示が本人にわかりにくかったりした場合に、個別の配慮が必要に応じてされていて、ある意味では、通常のクラスでの理想的な支援体制となっていました。
 先生の子どもへの指示はメリハリが効いていて、聞いていて理解しやすそうな感じでした。これは、発達障害のお子さんがクラスに在籍する場合、大切ですよね。それから、予期しない子どもの発言へもその場に応じて返答されていました。例えば、ある子どもが「そんなのええん(じゃない)」と言ったとき、「ちゃうねん」と自然に返してました。こんなふうに、授業中の子どもの言動や振る舞いに適切なレスポンスをしていくのも重要でしょう。
 授業中の課題を先生に見てもらってチェックを受けた子どもへは、「済んだ人は読書しておいて」という指示がなされていました。読書は、自分の好きな本(マンガ?)でいいようで、みんな真剣に読んでました。このプロジェクトの趣旨から解説しますと、まず、自分の好きな本を読めるというのは、とても効果的な「ごほうび」になります。そのために課題への取り組みが良くなりますし、課題が終わってからも静かに待っていることができますね。


2007年5月27日日曜日

第4回勉強会

 昨日の勉強会についてのご報告です。恒例になってきた今週の「わくわく授業」を見てですが、今回は書写の授業でした。まず皆さんは、子どもたちの授業を受ける態度がきちっとしていることと、机のうえの道具の整頓された置き方に驚いていた様子でした。小学校の場所は、尾道だったかな。たぬきねこも、こちらで大阪や神戸のベッドタウン化した市の小学校を見に行く機会がありますが、だいたいもっと雑然してるんですよねー。私の立場からは、まず子どもが授業に集中できる環境を作ることが、授業をするうえでの基本中の基本です。他の教室からの音は、聞こえないようにする配慮が必要です。今回のわくわく授業でのポイントは2つ。一つは、書写は視覚-運動学習と言えますが、先生はどのように筆を動かすか子どもたちに言語化させ、さらに紙にそれを書き入れさせていたことです。2つめは、他の子どもに比べて上手に書けているかではなく、この授業の前と後でどれだけうまくなったかを重視していたことです。実際に、前と後の2枚を机の上に置かせて子ども全員に見て回ってもらってました。このような配慮によって、子どもたちは授業による達成感を確実に感じることができるでしょう。

2007年5月21日月曜日

ユニバーサルデザイン

4月から特別支援教育も始まり、学校環境もユニバーサルデザインを目指した取り組みがなされているところもあるようです。ただ、一口にユニバーサルデザインといっても、学校の環境も違いますし、きっとアイディアもたくさんにあるように感じます。ある程度、学年などによって一般化できていくのかもしれませんが。ただ、大人数の学級もあれば、複式学級もある。また、オープンスペースの学校など。何より、「子どもにとって分かりやすい」が基準になるんでしょう。学校の取り組みが、どんどん紹介されていくといいですね。

2007年5月19日土曜日

第3回勉強会

 本日は、今週の「わくわく授業」をちょっとだけ見てもらっての討議から始めました。円周率についての授業でした。実際に円周を測って、直径の3倍ちょっとになることをまず体験です。いつもながら、授業中の子どもたちの表情がいいです。次に、以前の授業でおこなった二等辺三角形の性質を応用して、この3倍ちょっとを証明です。算数は、積み重ねってことを実感。体験プラス理詰めの展開ですね。この時に「わかった!」という感じを笑顔で見せていた子どもの表情がすばらしかったです。さらに、同じ直径の円を2つ用意して、そのひとつの外周上にもう一つの円を回転させていくと何回転するか、子どもたちに質問です。子どもたちは、興味津々の様子でした。
 このように子どもの好奇心をかき立てる授業はクラスの標準的ニーズに沿ったものと言えますが、あわせて発達障害児のニーズを満たしていくためにどのような工夫が必要か、勉強会メンバーに考えていってもらいます。
 さて、今日のランチはごはんが美味しい「万ま」でした。一人分づつお鍋で炊いてくれるごはんは絶品です。たぬきねこは、日替わりのさばの味噌煮をいただきました。あっ、今日これから喰いタンです。

2007年5月11日金曜日

前川先生

 昨日、勉強会メンバーの小学校同僚である前川先生の授業を見学して、そのあとお話も伺ったのでとりあえず、たぬきねこから報告させていただきます。見学したのは4年生のクラスで、国語の授業でした。このクラスには、発達障害の疑いのあるお子さんが在籍しています。昨年度までは、自分のしたいようにできないとパニック状態になってしまうことも度々あったようですが、前川先生とはうまくいっている様子です。まず、先生の授業は、メリハリがあります。おそらく、子どもにとって何が大切なのかがわかりやすいのでしょう。それから、言葉だけでなく身体での表現も豊かにされます。これも、視覚的な訴求力があるだろうと思います。国語の授業は、結構、構造化されています。まず、それぞれの子どもに文章を読んで何が書いてあるのか、言いたいことは何か考えさせてノートに書かせていました。それを、子どもに発表させて先生が黒板に項目を書いて行きます。そして、先生がその項目から筆者が何を言いたいのか子どもに問いかけてまとめていきます。そのお子さんも、指名されてしっかり何が書いてあるのか発言していました。



 先生は、子どもの様子をよく見て、どんな手だてで配慮をするのか、即座に判断しているようでした。この、子どもの反応によって対応を変えていくことが大切です。ADHDの子どもは、ルールに沿って行動していくのが何より苦手ですし、PDDの子どもは自分のやりかたを通そうとしてトラブルが起こってしまいがちです。以前に、PDDのお子さんが学校では禁止されている腕時計を2つもしてくるのだけどと相談を受けたことがありますが、どうもこのお子さんは時間を守らなければならいという不安からそうしている様子でした。学校のルールを絶対視しないで、周囲の子どもへの理解を図りながら、柔軟に対応していくことが大切でしょう。
 とりあえず、ここまで。

2007年4月30日月曜日

第2回勉強会

 28日に第2回勉強会をおこないました。参加された先生方、どうもご苦労様でした。第1回は、勉強会の趣旨説明などでしたので、今回からが実質的なスタートです。勉強会は、基本的に2部構成でそれぞれ1時間ずつです。学校現場の先生方から、授業や学級作り、また発達障害の子どものケースについて実践的な報告をしていただくことに1時間、大学のスタッフから発達障害についての基本的なこと、動機づけの仕組みと授業での工夫の関係などについて1時間とってあります。それぞれ1時間に設定しているのは、主催者の都合もあるのですが、限定された時間で実りある議論をしよということでもあります。この時間で十分に議論尽くせなかったことは、勉強会の後のランチタイムやこのブログでお願いしたいと思っています。
 実践報告をしていただいた先生からは、発達障害が疑われる子ども3名のことと、これら子どもを含めた学級経営の工夫についてのお話を伺うことができました。先生の考えとしては、先生から直接的に何かを指示するというより、子どものなかでの相互作用を重視していくなかで、うまく子どもどうしの関係を築いていくアプローチとっているとのことでした。
 大学スタッフからは、行動学習の原則、情動のしくみ、実行機能といった人間の心理的なシステムをトータルに理解していくことが、自信ややる気を生み出す際の配慮を考える上で大切であることをお話ししました。つづいて、「わくわく授業」のビデオを見てもらって、討論をおこないました。先生方が日頃考えている工夫でもあるが、行動の原則とあわせて見ると新たな発見もあったようです。通常学級の授業でおこなわれる工夫と発達障害児の特性のバランスをどうとるかといった議論もありました。例えば、ごほうびのポイントを数字で明確に示しすぎるのは、自閉症児がクラスにいた場合に、彼のこだわりを生みやすいのではとか、マイナスポイントはどうだろうとか。
 勉強会のあと、山椒亭という自然派レンストランでランチをしました。年をとってくると、有機栽培された材料で作られる和食はとてもありがたいです。その日の日替わりも美味しかったです。その場で、ランチ担当の分掌も決めました。きっと、美味しいランチが勉強会出席への強化刺激となってくることでしょう。
 

2007年4月25日水曜日

【できる!をのばす 行動と学習の支援】を読みました

山本淳一・池田聡子著の特別支援教育における応用行動分析の活用編の第二弾(日本標準)です。非常によいです。この勉強会でも参考になると思います。前作は,応用行動分析で特別支援教育が変わる(図書文化)。2つともあまり聞き慣れない出版社ですが,イラストもgoodです。この本の中で,ABC教育法という名称をつけていますが,いわゆる学習面でも,行動面でも,A(先行刺激)−B(行動)−C(後続刺激)から理解し,支援していきましょう,ということです。たいへん読みやすくわかりやすいないようになっていると思います。かなり参考になると思います。ちなみに,お値段は,2,000円です。読みたい人には,お貸しします。

2007年4月22日日曜日

わくわく授業「私はこんなに成長した!」蓮見信夫先生

 「わくわく授業」を最近、見始めました。ほんとうに、毎回、勉強になりますし、気がつくところがあります。この番組で紹介されている先生方は、たぶん、それぞれの方が自分の経験と工夫で授業を作られていると思うのですが、このようにして作られた授業は自然と子ども理解をふまえたものになっているようです。今回の授業では、現在の自分がどういうきっかけで形成されたのか、将来、どんな仕事をしてみたいかプレゼンするというものでした。プレゼンするということ自体が目標になりますよね。これは、やる気を出させるうえで大事な要素です。さらに、目標を明確にすることも重要ですね。蓮見信夫先生は、プレゼンのスライドを作っていく上で、まず内容をシートに書いてみようと提案しました。このような工夫は、様々な授業で用いられると思いますが、これはプレゼンの構成を考えるなかでとても大切なプロセスになっています。頭のなかで考えただけではなかなかストーリーがまとまらない子どもがいるかと思います。私も、講義や講演の内容を考えるときに、スライドそれ自体を作っていくなかでそれがまとまっていくような気がします。それと、実は我々が思考する時に同時に思い出せる数(量)には限りがあるのです。人間はたくさんの記憶をもっていますが、その時に思い出せる数は限られます。これは、思い出した記憶をホワイトボードに書き留めておくことに例えられます。したがって、頭のなかのホワイトボードの広さが限られているのであれば、頭の外のシートに書いておけばいいわけです。
 それと、もう一つは、子どもたちはこれまでの学校生活のなかでどのように友達と関わってきたか振り返ることになります。このなかで、おそらく子どもたちは他の子どもからどのように理解されてきたのか、も再考することになるでしょう。このような活動を通して他者理解が深まりますので、学級全体の雰囲気をさらに良いものにしていくことになるのでしょうね。
 この授業でわかるように、ITをコミュニケーションの道具として活用していくことは、やはり現代社会で求められているし、その重要性は益々今後高まっていくことでしょう。道具としてどう使いこなしていくか、子どもたちに教育することが求められていくでしょう。教育の本質的なところはそのままに、社会の変化にどう対応していくかが今の教育に問われています。かの老舗「とらや」がいまの消費者に受け入れられているのは、かたくなに伝統を守るだけでなく時代にあわせて味を変化させているといいます。

2007年4月16日月曜日

ブログ設定しました

 勉強会用のブログを作りました。前の勉強会で議論尽くせなかったこと、次の勉強会の発表内容、「わくわく授業」の感想、その他の研究会のお知らせなどを投稿してください。こんな面白い本、役に立つ本を読んだ、授業をしていたこんな点に気がついたといったこともOKです。